ジオラマ作りの基本:最初に揃えるべき道具と材料
ジオラマ初心者の皆さん、こんにちは!
ジオラマを始めるために揃えるべき道具や材料についてお話しますね。
最初は何を買えばいいか迷うかもしれませんが、基本の道具さえ揃えれば大丈夫です。
今回は、ジオラマ制作に必要な基本アイテムの選び方や使い方、注意点について詳しく紹介します。
入手が難しいものは当店のオンラインショップにリンクを貼ってあります。一部は100円ショップでも購入可能。これでジオラマ作りがグッと身近に感じられるはずです!
もくじ
1. カッター/デザインナイフ
まず必要なのがカッターやデザインナイフ。ジオラマでは、地形のベースをカットしたり、プラスチックや紙素材を切り出したりする場面が多いです。地形をカットする際に刃を長く出して使う場合があるため、カッターナイフは必須です。
- 選び方:一般的なカッターでOK。刃の角度が30度など鋭利なものだと細かなカットがしやすいのでお勧めです。替え刃も買っておきましょう。人形や建物ものパーツを切り出し、切り口を仕上げるにはデザインナイフもあると便利です。
- 使い方:材料をしっかり固定してから、慎重に切り進めましょう。無理に力を入れると刃が滑りやすく、事故の原因にもなるので、少しずつ軽い力で切り進めるのがコツです。
- 注意点:刃はこまめに交換して、常に鋭い状態で使うことが大切です。鈍い刃を使うと、切り口が荒くなり、材料が傷んでしまうこともあります。
2. カッターマット
カッターを使う際に欠かせないのがカッターマットです。作業台や机を傷つけないだけでなく、まっすぐなカットがしやすくなるため、特にジオラマ制作では重要です。
- 選び方:A4サイズやA3サイズのカッターマットがおすすめ。大きめのサイズを選ぶと、広い範囲で作業がしやすくなります。また、目盛りが付いているものを選ぶと、寸法を測りながらカットすることができて便利です。
- 使い方:マットの上で素材を切ることで、刃の寿命も延び、切り口も綺麗に仕上がります。作業台の保護だけでなく、長く快適に作業を続けるためのアイテムです。
- 注意点:カッターマットも消耗品ですので、深い傷が多くなってきたら買い替えを検討しましょう。傷が深すぎると、正確なカットが難しくなります。
3. 接着剤(発泡素材用/パウダー用)
ジオラマ制作では、様々な素材を接着してシーンを作り上げます。そこで、素材に合わせた接着剤が必要です。
- 発泡素材用接着剤:発泡スチロールのスタイロフォームやスポンジ素材といった細かな穴の開いた素材(多孔素材)の接着には専用の接着剤を使います。粘りが強く、接着剤が穴に吸い込まれることなく材料同士を乾燥するまで保持でき、なおかつ発泡スチロールを溶かさない細口ノズルタイプのものが便利です。
- スチのり:ジオラマの土台、地形のベースになるスタイロフォームの接着、樹木の葉を表現するスポンジ素材の接着に大活躍する接着剤です。最初から最後まで透明なのではみ出しても目立ちにくいのも利点。ただしツヤがあり、糸を引くので接着時に糸を回収しながら作業していくと良いですね。
- パウダー用接着剤:地面の形状ができて下塗りが済んだら、砂や細かなスポンジなどパウダー系の素材で地面の表面を仕上げます。こうしたパウダー系の素材を接着するには、染み込みのよい接着剤がお勧めです。木工ボンドに中性洗剤(界面活性剤)を数滴加えて水で薄めても近い接着剤が作れます。
- スーパーフィックス:水道水で5倍程度に薄めたものを地面やベースに塗って、パウダー系の素材を振りかけて定着させます。
- 筆を使って部分的に塗ることでエリアを限定してパウダー素材を定着させることができます。
- 余計な素材を振り落とすことは問題ありませんが、触らずに乾くまで待つことが重要です。乾燥時間は12時間以上、しっかりを持ちましょう。
4. ピンセット
細かい部品やパーツを扱う際に、ピンセットがあるととても便利です。特にジオラマでは、小さな植物やフィギュアなど、細かいアイテムを配置する作業が多いので、しっかりとつかめるピンセットは必須です。
- 選び方:先端が細く、正確にパーツをつかめるものが理想です。ストレートタイプとツル首(先曲がり)タイプはお好みで選んで問題ありません。ちなみに私の好みはツル首です!
- 使い方:フィギュアや細かいパーツを配置するときに、手で触ると接着剤が付いてしまったり、配置が難しいことがあります。ピンセットを使うと、狙った場所に正確に配置できます。
- 注意点:ピンセットを強く握りすぎるとパーツが飛んでしまうことがあるので、ゆっくりと優しく扱うことがコツです。
5. 地形ベース(スタイロフォーム/発泡スチロール)
ジオラマの大部分を占める地形のベースには、スタイロフォームや発泡スチロールがよく使われます。これらはカットしやすく、地形の起伏を自由に作ることができる素材です。
- 選び方:発泡スチロールよりもスタイロフォームの方が強度があり、カットもしやすいのでおすすめです。厚さは地形によりますが、3cm程度のものが扱いやすいです。
- 使い方:カッターナイフやヒートカッターで削って、山や川などの起伏を作ります。不要な部分を削って形を整え、接着剤でベースに固定します。
- 注意点:スタイロフォームを削るときは、細かいカスが出るため、作業後の掃除を考えてシートなどを敷いておきましょう。掃除機も準備しておくとよいです。
6. アクリル絵の具(または水性塗料)
ジオラマを色彩豊かに表現するためには、アクリル絵の具や水性塗料が必要です。特に、地形や建物の塗装にはアクリル絵の具が適しています。
- 選び方:最初は基本の色(黒、白、茶色、緑、青など)を揃えると良いです。アクリル絵の具は乾きが早く、扱いやすいので初心者向けです。
- 使い方:薄めに塗ることで、色の調整がしやすくなります。また、複数の色を重ねて塗ることで、リアルな質感を表現できます。
- 注意点:筆を使う場合は、塗り終わったらすぐに水で洗うことが大切です。絵の具が乾いてしまうと、筆が使えなくなってしまいますので注意してください。
スタイロフォームなど染み込みやすい素地にはカラージェッソシリーズ
- 使い方:塗りづらい場合はわずかに水で薄めますが、基本的にそのまま筆塗りしてください。塗り終わったらすぐに水で洗うことが大切です。絵の具が乾いてしまうと、筆が使えなくなってしまいますので注意してください。
まとめ
これらの道具と材料を揃えれば、ジオラマ作りの第一歩を踏み出す準備が整います。そして基本的な道具や材料は上達して複雑なシーンを作るようになっても使用します。まずはこれらをそろえてジオラマ制作をスタートさせましょう!
この記事を書いた人
なおきくん(坂本直樹)
ジオラマ専門店「さかつうギャラリー」の2代目店長。2014年から鉄道模型専門誌「N.(エヌ)」で作例、ジオラマ用品紹介を連載している。リアル店舗で接客、ネットではAIになって皆さんのご相談に乗ってます!(時々、知ったかぶりする)
32歳でさかつうギャラリーに加わるまではジオラマ、どころか模型と縁のない人生でした。そんな超初心者、予備知識ゼロでもジオラマ楽しいと感じたので「ジオラマを楽しめる人は絶対もっといる、広めたい!」と思って続けています。いまは素晴らしいジオラマ作品や作り方をご紹介して、驚くお客様の姿を拝見するのが生きがいですね。
なおきくん人形は人形作家の「あかおかずみ」氏に作っていただきました。あかおさん、ありがとうございます!